【海外でもベストセラー】JAL再建や京セラの名誉会長 稲盛和夫 その「 生き方 」 人生哲学とは?
普及のロングセラーを記録している「生き方」。海外でもかなりの人気を博しています。この本はぼくの中で大きく感銘を受けた本の一冊です。
稲盛和夫さんのことは知りませんでしたが、読めば知らずとも人間としても素晴らしさが伝わってきます。こんな精神を持って「生きたい」と初めてそう思いました。
また、これまではなかった「人生哲学」のようなものをなんとなく持つようにもなった気がします。苦難の連続でも、一本貫いて生きる姿は見えずとも輝かしく思います。
稲盛さんの「生き方」とは
稲盛さん自身の、今までの生い立ちのなかで、ずっと貫いている一本の指針。それは、ぼくたちが単純に思う、人生というものの生き方だけではなく、会社だったり、国だったり、人類そのものの生き方にも言えることです。
今もなお、人類は発展の途上にいます。まさに情報が溢れかえった世界。そんな情報の海で、荒波を越えていくには一本の指針が必要となる。それを本書では稲盛氏の言葉で伝えているのである。
誰にでも当り前のように、幼稚園や保育園、小学校で学んだはずの、でも今は薄れかけている、思い出してもすぐにおろそかになってしまう、そんなあたりまえの簡単な”ルール”を思い出させてくれました。
わかった気になるけど、ちっともわかってない自分
読んでみると、言っていることははっきりしていて、悪く言えばずっと同じことを訴えかけていていたりする。でもそれが実は理解できておらず、また読み返してみる。それを繰り返してしまいます。ぼくは何度か読み返しています。
稲盛さんが言っていることは、雲のような掴めそうで掴めないもので、不思議と納得させられるような、うまく比喩されていたり、共感できる話が数多く出てきます。その話から力がもらえたり、精神性を学ぶことができます。
天国と地獄の決定的な違い
稲盛氏が引用している一節だけ紹介します。仏教で言う「三毒」の話もなるほどと感心しましたが、それとは別の話をご紹介してまとめたいと思います。
あるお寺で若い修行僧が老師に聞きます。
「あの世には地獄と極楽があるそうですが、どんなところなのですかねぇ?」
老師いわく
「たしかにそれはある。でも、そのふたつは全然違わないのだ。
見た目はまったくおなじものである。ただひとつ違うのはそこにいる者たちの心なのだ。」
老師が続けて語るには、
地獄にも極楽にも、大きな釜があって
そのなかでぐつぐつおいしそうなうどんが煮えている。
ところがそこには長さが1mくらいの長い箸を使うしかない。
それで食べるのもひと苦労。
地獄に住んでいる人は、われ先にうどんを食べようとするから
みんなで争いながら、でも箸が長いからうまく口に運べない
そんなこんなでみんな大げんか。
だれひとり目の前のうどんを食べられないような状態、それが地獄の様子。
それに対して、まったく同じ条件でも極楽ではまったく違う光景が。
だれもが自分の長い箸を使ってうどんを箸でつかむと
釜の向こう側の人の口へと運び、「お先にどうぞぉ」と食べさせる。
そのお返しにと「あなたもどうぞ」と食べさせる。
こうすることで、極楽の人はみな、笑顔でうどんを食べることができて
満ち足りた心になれる。
これが地獄と極楽のたったひとつの単純な違いである。
ここまで読んでいただきありがとうございます。充実した内容で、改めて自分を見つめ直す機会となることだと思います。